「家庭菜園を始めたいけれど室内でしかできない」
これから家庭菜園を始めたいけど「庭がない」「ベランダもない」「玄関は共同で置けない」など、こうした環境下にある人は意外に多いです。
家庭菜園は外で行うイメージが強く、室内では育てられないと考えてしまいがちになります。
ですがそこは安心してください。室内でも育てられる野菜はありますし、ちょっとした工夫で育っていくので難しくありません。
ここでは室内でどんな野菜が育てられるのかをお伝えし、室内での栽培の仕方や成功させるポイントまで解説していきます。
それではまいりましょう!
室内でも育てられる野菜とは

室内は基本的にスペースを広く使えないことが多く、小型のプランターで育てることになるでしょう。
そのうえ日照時間の制限も受けやすいことも考慮しなければなりません。
それをふまえてご紹介していきます。
1.葉もの野菜

まず1つ目に、葉もの野菜では以下のようなものを室内で育てることができます。
- コマツナ
- リーフレタス
- ミズナ
- ホウレンソウ
- ルッコラ
- ミツバ
これらの野菜は小型で場所を取らず、室内でも比較的育てやすいものが多いです。
葉もの野菜の多くは半陰性植物といって、3~4時間ぐらいの日光を浴びれば順調に育つとされています。
そのためそれほど多くの日照時間を必要とせず、室内でも育てられる野菜の種類は比較的多いといえるでしょう。
2.実もの野菜

2つ目は実もの野菜です。
- インゲン
- エダマメ
- イチゴ
実もの野菜の多くは陽性植物という、日光を6時間以上浴びる必要があるとされる植物です。ですので、室内でもそれだけ日当たりが良いことが条件になります。
そのうえ深型のプランターが必要だったり、株が伸びて高くなってしまうものも多いです。小ぢんまりと育てられるものはかなり限られてきます。
室内に適しているものといえば、上記の3つぐらいでしょう。
3.根もの野菜

3つ目に根もの野菜です。
- ラディッシュ
- コカブ
- ミニニンジン
根もの野菜も深さを必要とするものが多いので、室内で育てられるものとなるとかなり限られてきます。
上記のものでしたらそれほど場所を取りませんし、とりわけラディッシュは初心者でも育てやすくおすすめです。
4.ハーブ

4つ目はハーブです。
室内の家庭菜園に適しているハーブは以下の通りです。
- ミント
- バジル
- イタリアンパセリ
- ローズマリー
- セルフィーユ
- レモンバーム
屋内緑化として室内に置いている人も多く、室内菜園でも人気があります。
土栽培でも水耕栽培でもできますし、中でもミント・バジル・イタリアンパセリは半陰性植物なので室内によく適しています。
5.芽もの野菜

最後に芽もの野菜です。主にスプラウトという若い芽を食する野菜です。
芽もの野菜には以下のようなものがあります。
- ブロッコリースプラウト
- カイワレダイコン
- 豆苗
- 豆モヤシ
- 緑豆
- アルファルファ
実は室内の家庭菜園でもっとも成功率が高いのが芽もの野菜になります。
特徴としては極めて短期間で収穫ができてしまうので、初心者にはうってつけの野菜です。
水耕栽培で育てるのがほとんどで、基本的に日常的な水の管理と適切な温度管理ができていれば7~10日ほどで収穫ができます。
そして手軽なわりに栄養価も高いので、健康志向の強い人にも人気の野菜なのです。
芽もの野菜を育てる場合はスプラウト専用の種がありますので、それを使って育てるようにしましょう。
専用の種には発芽をしやすいように処理をしてあります。
通常なら品質保持のために種に消毒剤を施すのですが、スプラウト専用の種は発芽してすぐ口に含むため安全の観点から品質保持のための消毒がされていません。
ですので一般的な野菜の種から育てるとうまく発芽をしなかったり芽に消毒剤が残ったりしますので、かならず専用の種から育てるようにしましょう。
室内での栽培の仕方
家庭菜園は土耕栽培が一般的ですが、室内で育てる場合は水耕栽培も選択肢に入ってきます。
水耕栽培とは、培養土の代わりに水に液体肥料を混ぜた培養液を使って野菜を育てていく方法です。
土耕と水耕には、栽培の土台が土か水のちがいのほかにいくつか特徴があります。
ちがいを知ることで自分の性格や生活環境に合わせて栽培方法を選ぶこともできるようになるでしょう。
それではそれぞれのメリット・デメリットを挙げながら、その特徴を解説していきます。
1.土耕栽培

- 初期投資が少ない
- 野菜の味わいが豊か
- 病害虫のリスクがある
- 室内の衛生面を損なう恐れがある
土耕栽培は土に多くの微生物を含んでいます。そのため土壌由来の病害虫が土に潜んでいる可能性があるのです。
室内環境は意識的に換気を行わないと空気が滞留するため、病原菌の繁殖に繋がりやすくなります。室内での土耕栽培では特に気をつけておくべき点と言えるでしょう。
ですが土で育ったものの多くは味が濃く、食味が良い傾向にあります。
ハーブは水耕で育てるより土耕で育てたほうが香りが強く出て、質の高いものになります。
2.水耕栽培

- 成長が早い
- 病害虫のリスクが低い
- まともに設備を整えるとコストがかかる
- 根もの野菜などの大型野菜には不向き
大きなメリットのひとつが成長の早さです。
水耕栽培の場合、植物の根が培養液に浸かるような状態になります。培養土に比べると根が直接的に栄養分を摂取するので効率が良く、株の成長を大きく促します。
また根が自由に伸びていくので表面積も大きくなり、吸収率も高まっていくのです。
もうひとつのメリットは、病害虫のリスクが少ないため虫も発生しにくく衛生的といえます。
虫の発生が抑えられれば農薬も必要ありませんので、安全な野菜づくりを楽しむことができます。
デメリットは揃える設備によってコストがかかってしまう点でしょう。
水耕栽培は環境を整えるほどに成功率は高くなりますが、費用が高額になります。循環型ポンプやLED照明といった機材がその例です。そのうえ運転する電気代もかかってきます。
ですが身のまわりにある材料に工夫を加えて育てる方法もあります。まずそちらから試すのがよいでしょう。水の管理さえこまめに行えば、それで十分なことも多いです。
室内での家庭菜園を成功させるポイント
室内で育てられると言いましても、野菜にとって生育環境が整っていないとうまく育ちません。適切な管理をすることは屋外でも屋内でも同じです。
室内での家庭菜園を成功させるためのポイントは以下のようになります。
- 光源の確保
- 温度と湿度の管理
- 培養液の管理
1.光源の確保

まず野菜の成長の源である日光を確保できる環境を整えましょう。
室内の家庭菜園でデメリットになりやすいのが日照時間です。家の壁や近隣の建物など、日光を遮るものが多いと日照時間も限られてしまいます。
育てる野菜に適した日照時間が確保できないと、徒長(幼芽が伸びて生育しない)の原因となるでしょう。
十分に日光が射し込むば問題はありませんが、射し込まない場合は植物育成LEDライトを使うのがおすすめです。
植物育成LEDライトは可能な限り日光に近い光を放つように設計されています。値段はピンからキリまでありますが、光源不足に悩む人には役立つアイテムのひとつです。
2.気温と湿度の管理

次のポイントは気温と湿度の管理です。
室内空間は人が生活する場所でもあるので、屋外より快適な環境にしやすいのではないでしょうか。
多くの野菜の生育適温は人が快適に感じる気温と大差はありません。
湿度に関しても極端な乾燥や多湿は人にとっても不愉快です。適切に管理をすれば野菜にとっても育ちやすい環境となるでしょう。
気温と湿度の管理のしやすさは室内の家庭菜園のメリットといえます。
3.培養液の管理

水耕栽培においては培養液も適切に管理することが必要です。
根は日々呼吸を行っているため、浸かっている培養液も不純物を含むようになります。根の健康のために水替えをこまめに行いましょう。
また水の交換の際には容器の方も洗って清潔にしておくことも大事です。そのままにするとぬめりが出てカビや藻が発生しやすくなります。
根に悪影響ですので、容器を清潔にすることも忘れずに育てていきましょう。
まとめ
- コマツナ
- リーフレタス
- 水菜
- ホウレンソウ
- ルッコラ
- ミツバ
- インゲン
- エダマメ
- イチゴ
- ラディッシュ
- コカブ
- ミニニンジン
- ミント
- バジル
- イタリアンパセリ
- ローズマリー
- セルフィーユ
- レモンバーム
- ブロッコリースプラウト
- カイワレダイコン
- 豆苗
- 豆モヤシ
- 緑豆
- アルファルファ
- 初期投資が少ない
- 野菜の味わいが豊か
- 病害虫のリスクがある
- 室内の衛生面を損なう恐れがある
- 成長が早い
- 病害虫のリスクが低い
- まともに設備を整えるとコストがかかる
- 根もの野菜などの大型野菜には不向き
- 光源の確保
- 温度と湿度の管理
- 培養液の管理
室内は栽培スペースの狭さから、小型の野菜に絞られてきます。大がかりな準備を必要としないので初心者が家庭菜園を始めるのに最適な場所ともいえます。
また、外気と比べて室温調整もしやすいのでどの野菜でも比較的育てやすいでしょう。特に芽もの野菜は収穫までが早くて取りかかりやすいので、ぜひ挑戦してみてください。