プランターの選び方のコツはカンタン!材質のちがいも徹底解説

プランターで彩られた玄関 家庭菜園

「初めての家庭菜園でプランターの選び方がわからない」
「いろんな種類の材質で何がちがうの?」

プランターの選び方は決して難しいものではありません。

ポイントとなるのは「育てる野菜を決める」か「育てる場所を決める」かです。それさえ決まれば選ぶプランターも自然と決まっていきます。

この記事では育てたい野菜に適したプランターの選び方と形状のちがい、材質のちがいについて詳しく解説していきます。

特に材質のちがいは野菜の成長に影響するほかインテリアの側面もありますので、それぞれの特徴を知ればどんなものがいいか選びやすくなるでしょう。

お気に入りのプランターを見つけてるのに役立ててください。

それでは、まいりましょう!

プランターの選び方のコツ

まず家庭菜園を初めてやる人は、持ち運びのカンタンなプランターから始めることをおすすめします。

天候や住居環境によっては野菜がなかなか育たないこともあるかもしれません。持ち運びのしやすいプランターなら育ちやすい環境に移すのもカンタンで成功率も高まるでしょう。

それをふまえたうえで、プランターの選び方には次の2通りの方法があります。

  • 育てる野菜を決めてからプランターを選ぶ
  • 育てる場所を決めてからプランターを選ぶ

1.育てる野菜を決めてからプランターを選ぶ

さまざまな種類の野菜のイメージ

1つ目は育てる野菜を決めてからプランターを選ぶ方法です。

プランターは育てる野菜によって大きさや形状を変える必要があります

たとえば実もの野菜の多くは一つの株が高く成長していきますので、深めのプランターでないと安定せずに倒れやすくなってしまいます。

根もの野菜も深さが十分にあるプランターでなければ、根が思うように伸びず生育障害を起こすかもしれません。

葉もの野菜であれば葉っぱどうしが成長の妨げにならないように、広めのプランターが適しているでしょう。

このように、野菜の特性に合わせたプランターを選ばなければうまく育たなくなる可能性があります

ですのでプランター選びには育てる野菜を決めておくのが基本です。

初心者で何を育てていいかわからない場合はこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

2.育てる場所を決めてからプランターを選ぶ

家庭菜園の場所4種

2つ目は育てる場所を決めてからプランターを選ぶ方法です。

プランター栽培をする場合、主に庭・ベランダ・玄関・屋上・室内と多くの場所を選べます。ですが、家庭菜園に使えるスペースがどれだけあるかで選ぶプランターの大きさも変わでしょう。

広くて自由が利くのであればどんな大きさのプランターでも選べますが、限られたスペースの場合ですとプランターのサイズを考えなければいけません。

たとえばベランダで育てる場合ですと洗濯物を干したりします。倉庫代わりに物を置いている人もいるかもしれません。

頻繁に出入りをする場所で大きなプランターを置くと日常生活の妨げになる可能性が出てきます。

もしくは株が大きく成長して洗濯物に緩衝するかもしれません。

このようにもしスペースが限られているならば、プランターのサイズを決めてから育てる野菜を選ぶという流れになります。

野菜に適した大きさのプランターの選び方

プランター選びで最も大切なのは野菜に適した大きさです。

それぞれの野菜に合った大きさのプランターを用意してやらなければ、のびのびと育ってくれません。

プランターの大きさは深さを目安に、以下のように分類されます。

プランターの大きさの分類
  • 浅型
  • 標準型
  • 深型・大型

1.浅型

浅めの素焼きのプランター

1つ目は浅型プランターで深さが10~15cmぐらいのもの、容量が6~12ℓほどになります。

栽培期間の短い野菜や、丈が短く根を深く張らない野菜に適しています

基本的に土の量が少ないため水はけはよいのですが、反面乾きやすくもあるのでこまめな水やりが必要になってきます。また軽量ですので持ち運びが楽なのも浅型の特徴です。

浅型に適した野菜は以下のようなものになります。

浅型に適した野菜
葉もの
  • コマツナ
  • リーフレタス
  • ルッコラ
  • シュンギク
  • オオバ
根もの
  • ラディッシュ
  • コカブ
ハーブ
  • バジル
  • イタリアンパセリ
  • パクチー

2.標準型

中型サイズのプラスチック製プランター

2つ目は標準型プランターで深さが20cm前後のもの、容量は12~20ℓぐらいです。

これも栽培期間が比較的短い野菜が適しています。浅型よりは丈の長いもの、根が深く張るものに適応しますので使い勝手がよく、1年を通して活躍し続けられるサイズと言えるでしょう。

標準型に適した野菜は以下になります。

標準型に適した野菜
葉もの
  • ホウレンソウ
  • コマツナ
  • リーフレタス
  • ミズナ
  • チンゲンサイ
実もの
  • インゲン
  • サヤエンドウ
  • ミニトマト
  • オクラ
根もの
  • ラディッシュ
  • コカブ
  • ミニニンジン
ハーブ
  • ローズマリー
  • タイム
  • ミント

3.深型・大型

深めで大型サイズの木製プランター

3つ目は深型プランター・大型プランターです。

どちらもサイズの大きなプランターですが、深型は深さが30cm以上のものを指します。大型なら深さ25~35cmぐらいになります。

容量は深型で20~30ℓぐらい、大型なら30~40ℓほどです。

栽培期間の長い野菜や丈が高くなる実もの野菜、土中に深く成長する根もの野菜やイモ類などに適しています

プランター栽培の中で最も土が必要になる大きさです。畑の環境に近く水やりの頻度は比較的少なくて済みますが、排水性を整えるのに注意をしなければなりません。

適した野菜は以下の通りです。

深型・大型に適した野菜
葉もの
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • キャベツ
実もの
  • キュウリ
  • トマト
  • ナス
  • ピーマン
  • ゴーヤ
根もの
  • ニンジン
  • ミニダイコン
  • ジャガイモ
  • サツマイモ

プランターの形状のちがいによる選び方

プランターは目的の違いによって様々な形状が生まれてきました。

野菜の特性に即したものスペース効率を重視したものデザイン性を加えたものなどです。

野菜を育てるだけでなく好みのデザインのプランターでインテリアを楽しむのも、家庭菜園の醍醐味といえるでしょう。

ここでは代表的な形状のものを分類して、それぞれの違いによる選び方の解説をしていきます。

プランターの形状の分類
  • 丸型
  • 長方形型
  • 正方形型
  • ハンギング型

1.丸型

丸型のプラスチック製プランター

最も古典的でスタンダードなのが丸型プランターです。

丸型プランターは1つの株が大きく成長する実もの野菜を育てるのに適しています。面積が大きければラディッシュやコカブ、ジャガイモなどの根もの野菜も育てることができるでしょう。

直径の大きさを目安としており「3㎝= 1号」と換算してサイズを表すことが多いです。仮に24㎝の直径の円形プランターであれば「8号」と表記します。

特徴はデザインが非常に豊富なので、好みに合ったものが見つかりやすいかもしれません。材質の種類も多く、インテリアの面においても楽しめるのが丸型プランターといえるでしょう。

ただし、後述する長方形型や正方形型に比べてスペース効率が悪くなりやすい傾向にあります。並べて配置すると隙間が出てきてしまうので、狭い場所で並べるのには向いていません。

また、底面が丸いため不安定になりやすいです。特に丈が高くなる野菜は風による転倒に注意をしておく必要があるでしょう。

2.長方形型

整然と並べられた長方形型プランター

長方形型のプランターも非常にポピュラーな形状です。

株を並べて栽培できるようにしたもので、葉もの野菜やハーブを育てるのに適しています。サイズが大型のものになれば複数の野菜を同時に育てるのも可能です。

長方形型は横幅の大きさを指標として表記しています。

たとえば、45センチの幅のものならば「45型」や「450型」の形で表記するのが一般的です。

角形が特徴の長方形型は並べて配置しても余分な場所を取らず、スペースを効率的に使えるのが大きな利点でしょう。

軽くて扱いやすく利便性を重視したものが多いですが、一方で材質が限られデザイン性にやや乏しい面があります。

3.正方形型

小型の正方形型プランター

正方形型のプランターの使い方としては丸型に近いです。

基本的に株が大きく育つ実もの野菜に向いているといえるでしょう。

長方形型と同様で、並べて配置したときにスペースを無駄なく使えるのが特徴です。また底面が四角いため、丸型よりも安定性に優れています

デザインはシンプルなものが多いですが、モダンな雰囲気でアーバンシックなインテリアが好みの人には合うかもしれません。

4.ハンギング型

カラフルに吊るされたハンギング型プランター

ハンギング型とは、壁掛け式や吊り下げ式のプランターのことをいいます。

小型のものが多くハーブを育てるのに向いているでしょう。

最大の特徴は空間を利用できることで、限られたスペースしかない人にとってはハンギング型は有効的です。空間の彩りにもなりますし独特な景観を楽しむこともできます。

風通しも良くなるため、病害虫による被害のリスクが軽減されるのも他の形状にはない大きな利点といえるでしょう。

ただし落下のリスクがありますので固定の仕方を工夫したり、風の強い日は外したりして対処する必要が出てくるかもしれません。

プランターの材質のちがいによる選び方

プランターは材質によって軽量性耐久性デザイン性などにちがいが出てきます。

高い利便性や栽培に必要な機能性、インテリアとしてのデザイン性。好みによって選ぶものも変わってくるのではないでしょうか。

ここでは材質のちがいによるメリット・デメリット挙げて、特徴を詳しく解説していきます

プランターの材質による分類
  • プラスチック製
  • 素焼き製
  • 木製
  • 陶器製
  • FRP(繊維強化プラスチック)製
  • 不織布製
  • 金属製
  • リサイクル素材

1.プラスチック製

ローマ字入りのおしゃれなプラスチックプランター

どの大きさ、どの形状のプランターでも幅広く使われている素材がプラスチック製です。

プラスチック製は軽量で持ち運びがしやすく、比較的安価なものが多いです。

カラーバリエーションも豊富でデザイン性に優れたものも多く、初心者にとって取り扱い材質といえるでしょう。

反面、通気性と排水性が低いため根腐れのリスクがあります。

近年はスリットなどを入れて排水性を向上させたデザインも登場していますので、よく観察してみてください。

気温の影響を受けやすい性質があり極端に暑い日や寒い日は注意しましょう。

2.素焼き(テラコッタ)製

スタンダードな素焼きのプランター

素焼き製は別名テラコッタとも呼ばれ、粘土を形成して焼き上げたプランターです。最も古典的な材質で丸型が主流ですが、長方形型のものもあります。

材質が多孔質のため通気性と排水性が高いです。酸素が行きわたり余分な水分も蒸発していくため、根が健康的に成長します。

ただし土が乾燥しやすくもあるので、こまめに水やりをする必要があるでしょう。

材質が重たいため比較的安定感はありますが、衝撃に弱く割れやすいので取り扱いには注意が必要です。

3.木製

大型サイズの長方形型木製プランター

自然素材で作られた木製のプランターは、自然環境に調和して美的景観が良く人気の材質です。

木製も素焼き製と同様に通気性と排水性に優れています

気温の影響を受けにくいため、土中の温度管理にそれほど気を使う必要もありません。

樽型やスタンド型など独特のデザインを施したプランターもあり、目で楽しむこともできます。

ただし経年劣化しやすく、他の材質に比べると寿命が比較的短いのは難点かもしれません。

4.陶器製

さまざまなデザインの陶器製プランター

陶器は素焼きの表面に釉薬(うわぐすり)を施して光沢を与えたものです。

素焼き製と比べると通気性や排水性に劣りますが、防水性が高く劣化しにくいと言う利点が挙げられます。

陶器製の最大の特徴はデザイン性の高さといえるでしょう。

さまざまな模様や色づかい、動物を模した形のものなど遊び心に溢れたものが多いです。

家庭菜園をインテリアとして楽しむ人に向いている素材かもしれません。

5.FRP(繊維強化プラスチック)製

FRP(繊維強化プラスチック)とは繊維を強化材料として加えたプラスチック素材のことです。

耐久性ではどの素材よりも優れていて、なおかつ軽量さも兼ね備えているので大型のプランターでよりその効果を発揮します。

またデザインにおいても、シンプルでスタイリッシュなイメージからレンガ帳や木製に模した自然に調和するものまで比較的幅広いです。

FRPは価格が高い傾向にあるのが難点といえます。

ですが耐久性が高く長期的に利用できることを考えると、コストパフォーマンスも決して悪くはないのかもしれません。

6.不織布製

2ガロンサイズの不織布製のプランター

不織布製プランターは丸型のものが多く、大きさを「ガロン」と言う単位で表しています。「1ガロン= 3.78ℓ」で約4ℓと計算すればわかりやすいでしょう。

最大の特徴はずば抜けた軽量性です。取っ手のついているものも多く、持ち運びもカンタンにできます。

使わないときは折りたたんでしまっておけるので、保管する場所も取りません。

また通気性や排水性も非常に優れています。根腐れしにくく、健康的に根の成長を促します。

一方で、耐久性に劣るところが弱点です。

ただし使えなくなった場合でも燃えるゴミとして処理できますので、後始末が楽な面もあります。

7.金属製

西洋的な雰囲気の小型のブリキ製プランター

金属製のプランターは非常に高い耐久性を持つ材質です。

適切なメンテナンスを欠かさなければ、10年単位で使い続けることもできます。

素材の特性から近未来的なデザインが多く、スタイリッシュな景観を演出します。

ブリキ製のものはローマ字の入ったデザインもあるので、西洋風の空間作りに一役買うこともあるでしょう。

ただし熱伝導率が高いため気温の変化を受けやすく、土中環境への影響が大きいです。置き場所には十分注意をしてください。

一般的に通気性と排水性も低いので、排水穴を作ったり排水性の高い土を用意したりすることも必要かもしれません。

8.リサイクル素材

リサイクル素材のプランター

リサイクル素材のプランターは環境への負荷の軽減に大きく貢献をしています。

たとえば家庭から出るプラスチックごみを主な原料としたリサイクルプラスチック製プランターは、プラスチック製の機能を損なうことなく石油資源の節制に寄与しています。

また古紙を原料としたパルプモールド製のプランターなどもあり、有機素材を再利用しているためそのまま土に還すこともできます。軽量性が高くある程度の衝撃にも耐えるので、プランターとしての機能も十分に果たしています。

まとめ

大きさ深さ容量メリットデメリット
浅型10~15cm6~12ℓ軽量こまめな水やりが必要
標準型20cm前後12~20ℓ多くの野菜に適応して汎用性が高い
深型30cm以上20~30ℓ水やりの頻度が少なくてすむ土の量が多いので重く持ち運びが大変
大型25~35cm30~40ℓ
プランターの大きさによる比較

大きさ適した野菜
浅型コマツナ・リーフレタス・ルッコラ・シュンギク・オオバ
ラディッシュ・コカブ
バジル・イタリアンパセリ・パクチー
標準型ホウレンソウ・コマツナ・ミズナ・リーフレタス・チンゲンサイ
インゲン・サヤエンドウ・ミニトマト・オクラ
ラディッシュ・コカブ・ミニニンジン
ローズマリー・タイム・ミント
深型ブロッコリー・カリフラワー・キャベツ
キュウリ・トマト・ナス・ピーマン・ゴーヤ
ニンジン・ミニダイコン・ジャガイモ・サツマイモ
大型
プランターの大きさに適した野菜

形状適した野菜類メリットデメリット
丸型実もの・根もの・デザインが豊富
・材質の種類も多い
・スペース効率が悪い
・不安定になりやすい
長方形型葉もの・ハーブ・スペース効率が良い
・軽くて扱いやすい
・材質が限られる
・デザインがやや乏しい
正方形型実もの・根もの・スペース効率が良い
・安定性に優れている
・デザインがやや乏しい
ハンギング型葉もの・ハーブ・空間を利用できる
・風通しがよい
・落下のリスクがある
プランターの形状のちがいによる比較

素材メリットデメリット
プラスチック製・軽量
・安価
・デザインが豊富
・通気性、排水性が低い
・気温の影響を受けやすい
素焼き製・通気性、排水性が高い
・安定感がある
・こまめな水やりが必要
・衝撃に弱い
木製・通気性、排水性が高い
・気温の影響を受けにくい
・自然に調和したデザイン
・経年劣化しやすい
・こまめな水やりが必要
陶器製・保水性が高い
・デザインが豊富
・通気性、排水性がやや低い
FRP(繊維強化プラスチック)製・耐久性が高い
・軽量
・デザインが豊富
・高価
不織布製・最軽量
・通気性、排水性が高い
・耐久性が低い
・こまめな水やりが必要
金属製・耐久性が高い
・独特のデザイン性
・気温の影響を大きく受ける
・通気性、排水性がかなり低い
リサイクル素材・環境への負荷を軽減
・軽量
・デザインに乏しい
プランターの材質のちがいによる比較

プランターの大きさ・形状・材質にはそれぞれ一長一短があります。

育てる野菜や場所、目的をはっきり決めると選びやすくなるでしょう。

初心者の方におすすめなのは標準型サイズの長方形型プラスチック製プランターです。

使い勝手のいいサイズ感でいろいろな野菜に挑戦できますし、軽くて安価ですので扱いやすいと思います。

家庭菜園に慣れてちがうプランターが欲しくなりましたら、またぜひ参考にしてみてください!

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